2017 リサイタル 動画&解説 シュニトケ

シュニトケ(1934-1998)
ヴァイオリンソナタ第1番
ユダヤ系ドイツ人を父に持つロシアを祖国とする作曲家シュニトケは様々な様式を取り入れる多様式技法の作曲家である。
激動のロシアを生きたこの作曲家はとても複雑なアイデンティティを持たざるを得なかった。1941年の独ソ戦争以来彼は3つの人種、文化の不条理に悩まされる。ユダヤ人、ドイツ人、ロシア人の血は一滴も流れていないのにロシア語で思考し、ロシアで生活している自分に違和感を覚える。この事は彼の音楽にも色濃く反映されている。旧ソ連が1989年に崩壊してからハンブルクへ移住したが、1998年度重なる脳卒中のため亡くなった。
ヴァイオリンソナタ1番は1963年に作曲された。
第1楽章 Andante ヴァイオリンの緊張感溢れる旋律から始まり短いながらも激しいクライマックスを迎え最後はヴァイオリンンのピッツィカートで終わる。
第2楽章 Allegretto ヴァイオリンとピアノが変拍子を交え追いかけ合いながら進んで行く、途中突然入ってくるワルツはプロコフィエフのロミオとジュリエットの影響をうけている。ピアノのカデンツァが終わりヴァイオリンのテンションの高い和音が続き絶え間なく3楽章に入っていく。
第3楽章 Largo 2楽章のヴァイオリンの持続音にピアノが覆いかぶせる様に衝撃的なBACHのイニシャルをモチーフとした和和音で入ってくる。終止この和音に支配され緊張感を持ったままヴァイオリンのフラジオで締め括られる。
第4楽章 Allegretto scherzando  “クラカーチャ”というスペイン語の歌の引用から始まるこの楽章は今までの全ての楽章のモチーフが結合されており、最後は4楽章のモティーフをヴァイオリンがピツィカートで奏で消える様に終わる。
解説 蓑田真理

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バイオリニスト蓑田真理 Mari Minoda : 古典音楽から、新作初演までバロックバイオリンとモダンバイオリンを演奏する他ソロ、室内楽、オーケストラ等で幅広く活動中。国内外を行ったり来たり、ジャンルも行ったり来たり。2019年〜London →→2024年日本に完全帰国。主に東京、関西で活動中。  お問い合わせ MAIL:minoda.violin@gmail.com